映画『呪われたジェシカ』TSUTAYA発掘良品選出の70年代ホラーの隠れた名作

映画情報


呪われたジェシカ
(原題:Let's Scare Jessica to Death

呪われたジェシカ ポスター.jpg
製作年:1971年(アメリカ) ジャンル:ホラー
上映時間:89分


スタッフ


監督:ジョン・ハンコック
脚本:ノーマン・ジョナス、ラルフ・ローズ
製作:チャールズ・B・モス・Jr
音楽:オーヴィル・ストーバー
撮影:ロバート・ボールドウィン


出演者


ゾーラ・ランパート、バートン・ヘイマン、ケヴィン・オコナー、マリクレア・コステロ、グレッチェン・コーベット、and more…


【呪われたジェシカ】解説/あらすじ


『カリフォルニア・ドリーミング』のジョン・ハンコック監督による長編デビュー作で、1970年代怪奇ホラーの代表作にして隠れた名作。精神障害とも夢とも現実ともつかない恐怖を描き出す。TSUTAYA発掘良品の一本。


精神障害によって入院していたジェシカ(ゾーラ・ランパード)は、退院して夫のダンカン(バートン・ヘイマン)とその友人ウッディ(ケヴィン・オコナー)と共に、療養も兼ねてコネチカットの田舎町に引っ越す。邸宅にたどり着いた3人だったが、そこにはエミリー(マリクレア・コステロ)という娘が廃屋だと思い込んで忍び込んでいた。あっさりとエミリーを迎え入れ、4人は共同生活を開始するのだったが、ジェシカの周りでは不可解な現象が起こり始めるのだった。


【呪われたジェシカ】映画感想/レビュー


劇場公開以来、何度かTV放送されただけで、ソフト化もされず殆ど幻の作品と化していたジョン・ハンコック監督のデビュー作『呪われたジェシカ』ですが、最近になってTSUTAYA発掘良品の一本に選出されたり、DVDが安価で買えるようになったりしています。


ジェシカを死ぬほど怖がらせよう


邦題は『呪われたジェシカ』となっていますが、原題は‘Let's Scare Jessica to Death’で、‘ジェシカを死ぬほど怖がらせよう’という意味になります。
邦題も間違っていないのですが、色々な解釈/見方ができる映画なので、原題の方がしっくりくるかもしれません。


精神障害のジェシカと霊柩車


重度の精神障害で入院していたジェシカは、夫と共に療養を兼ねてコネチカットの田舎に引っ越すことに。
夫の友達も農場手伝いのために同行するのだけれど、この時コネチカットに向かって走らせている車が何故か霊柩車。
なんで霊柩車やねん?と突っ込みたくなる。
その霊柩車に乗ってたどり着いた邸宅には、エミリーという謎の娘が、廃屋と思い込んで侵入していたのだけれど、ジェシカ達は追い返すこともなく迎え入れ、4人は共同生活を送ることになるのだが、ジェシカの頭の中に響く謎の声。
そして何故か交霊の儀式を遊びで執り行う。
“私はここよ。”などと何者かの声が響いたりするのだけれど、単純に観ていたら、別段恐ろしいという演出でもなく…。


ただジェシカは重度の精神障害を患っているという設定なので、この声が統合失調症的な症状のために聞こえているものなのか、それとも実際に霊的な存在の声なのかがわからない。
おまけにジェシカも自分の病状を自覚している故に、幻聴が聴こえてきても夫や友達には相談せず、基本的に笑顔である。
この演出は中々なものなんじゃなかろうかと思います。
雰囲気的にはロマン・ポランスキー監督の『ローズ・マリーの赤ちゃん』と似たようなところがあります。


ただ観ているだけでは怖くない


明らかに挙動がおかしい町の人々や、銀縁の額に飾られたセピア色の写真に写っている女性がエミリーとそっくりであったり、乾いた風景とは反対にジメジメした演出、湖畔で襲い掛かるサメのようだったらしい白い肌の何か、骨董品、鶏、重低音と不協和音を多様したオーヴィル・ストーバーによる不気味な映画音楽などなど、雰囲気自体は非常に出ているけれど、ただただ淡々と観る上での怖さというものはあまりない。
極度の残酷描写があるわけでもなく、非常に地味なんだけれど、やはりジェシカが精神を病んでいるという事実が怖さを醸し出しています。


悪夢なのか現実なのか病気なのか


ネタバレになりますが、エミリーは吸血鬼だったみたいな話になってきます。(エミリーがアヴリル・ラヴィーンとメグ・ライアンを足して2で割ったような顔してんなとか思ったのは私だけなのか?)
でも、吸血鬼映画が襲ってくる現実として観たら全く怖くない。なんやそれ!って感じで、DVDをフリスビーの如く投げるか、カラス除けにでもしたい気持ちになりますが、ジェシカの病気が見せている幻覚や幻聴であったり、そんなジェシカが見ている悪夢と考えると、やっぱ怖い。
どっちなのかわからないというところはもっと怖い。
見た目の怖さじゃなくて、見て感じる心理的恐怖ですね。微妙に後味の悪い雰囲気を味わう映画。


低予算のインディペンデント映画みたいなノリなので、作り自体は非常に荒いです。
なので、そういう映画が苦手な人にとっては、粗が目立ちすぎてストーリー云々の前に観る気が失せてしまう映画かもしれません。
個人的にも、もうちょっと作りこめなかったんかなぁっていう残念な感じは残ります。そういう粗も含めて、不条理な‘夢’を見て不安感を煽るような演出になっていたりもしますけどね。


【呪われたジェシカ】関連DVD,ブルーレイなど


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