映画『パワープレイ』クーデター映画の最高峰。政権転覆を狙う参謀たちの夜

映画情報


パワープレイ
(原題:Power Play/Operation Overthrow

Operation Overthrow poster.jpg
製作年:1978年(イギリス/カナダ) ジャンル:アクション/戦争/サスペンス
上映時間:103分


<スタッフ>
監督/脚本:マーティン・バーク
原作:エドワード・N・ルトワク
製作:クリストファー・ダルトン、デヴィッド・ヘミングス
音楽:ケン・ソーン
撮影:オウサマ・ラーウィ


<出演者>
ピーター・オトゥール、デヴィッド・ヘミングス、バリー・モース、ドナルド・プレザンス、ジョン・グラニック、and more…


【パワープレイ】解説/あらすじ


ヨーロッパの架空の国を舞台に描くクーデター映画の最高峰。複雑な人間模様をサスペンスフルに描き出す。監督と脚本は『バトル・オブ・シリコンバレー』のマーティン・バーク。出演は『アラビアのロレンス』、『冬のライオン』のピーター・オトゥール、『ジャガーノート』のデヴィッド・ヘミングス、『ミクロの決死圏』のドナルド・プレザンスなど。


軍事政権化のとあるヨーロッパの小国で、経済大臣が誘拐される事件が発生。このことを機に、大統領はテロリストに対して報復することを宣言する。秘密警察を使うなどして怪しい人物を次々に逮捕していったのだったが、政府及び秘密警察のその方針は、事件に無関係な犠牲者も次々に出していった。そんな中、親交の深かった知人の娘が殺された、退役間近の陸軍大佐ナリマン(デヴィッド・ヘミングス)は、陸軍大学の戦術教授のルソー(バリー・モース)等と共に、政府に対してクーデターを起こすことを決意し、戦車隊長のゼラー大佐(ピーター・オトゥール)などを加え、作戦を実行に移すのだった。


【パワープレイ】映画感想/レビュー


クーデター映画というジャンルがあるのなら、この映画『パワープレイ』(副題:参謀たちの夜)は、その最高峰に位置するのでしょう。
非常に知名度が低い作品ですが、最近TSUTAYAの発掘良品でも出された一本です。


もうずっと前から、マーティン・バーグ監督の『バトル・オブ・シリコンバレー』が、TSUTAYA発掘良品に選ばれていますが、本作はそのマーティン・バーグ監督による長編デビュー作。
ヨーロッパの架空の小国が舞台ということで、フィクションではありますが、ドキュメンタリータッチな作品に仕上がっています。


『アラビアのロレンス』でのロレンス役で有名なピーター・オトゥールが出演していますけど、この人の演技が、ロレンスを演じている時と違って凄く怖い。
ネタバレしますと、ナリマン大佐を筆頭に、架空の国に対してクーデターを起こし、政権転覆後はそのナリマン大佐が大統領の椅子に座る予定だったのですが、味方だと思っていたクーデター派側の中でも陰謀や私欲が渦巻いていて、みんな腹の中にそれぞれ黒いものを抱えているんですね。
しかも、勧善懲悪ではないけれど、それぞれにはそれぞれの正義があるという。


結果、ピーター・オトゥールが演じるゼラー大佐が、ナリマン等を裏切って大統領の椅子に座るのですが、その椅子に座ってスピーチを行っている姿が、禍々しさすら漂わせていて怖すぎる。ケン・ソーンによる不安感や緊張感を煽るような音楽が、その雰囲気をより一層引き立たせています。


そして最終的には磔にされ、覆面を被せられたナリマン等は、一斉銃撃によって処刑。崩れ落ちた姿をカメラが映したままエンドロールが流れるわけですが、後味が悪いというか、これがクーデターのリアルかと思うと非常に怖い。
現在『日本のいちばん長い日』が公開されており、1967年版の『日本のいちばん長い日』でも描かれていますが、いわゆる‘宮城事件’も、クーデターですね。
結果的には未遂に終わって、玉音放送は予定通り流されましたが、どこか知らない架空の国の御伽噺では済まされないような恐ろしさがあります。


兎に角重厚な映画なのですが、一つ残念なのは、結局同国同士の争いなので、あまりテンポよく話を進めすぎると、ただでさえ複雑な人間関係が、より複雑に見えてしまいます。
エンドロールを最後まで流しても107分程度しかない映画なので、少なくとも2時間程度、或いは2時間30分とか3時間ほど使って、この辺の関係性をもう少しわかりやすく描けていたらよかったのではないかなと思います。
戦車等を使った大掛かりなスペクタクルもいいのですが、特に前半は場面転換が荒唐無稽と取れてしまうくらいなので、もう少し滑らかなカット割もできたんじゃないかなと思う。
まぁ、わからなけりゃ2回でも3回でも観れば済む話なんですけど、回数重ねて観ると、最後のドンデン返し的なオチのインパクトが薄れてしまうという欠点があったりもします。


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Excerpt: ヨーロッパ某国の退役目前の大佐がクーデターを謀り、秘密警察の目をかすめて成功、みごと権力の座を手にする。 が、謀った大佐が仲間に引き入れた戦略大佐に、今度は自分が謀られてしまう…。
Weblog: 象のロケット
Tracked: 2015-08-13 09:47