映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』セルジオ・レオーネの遺作となった傑作

映画情報


ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
(原題:Once Upon a Time in America

Once Upon a Time in America poster.jpg
製作年:1984年(アメリカ/イタリア) ジャン:ドラマ/クライム
上映時間:205分


<スタッフ>
監督:セルジオ・レオーネ
脚本:レオナルド・ベンヴェヌーチ、ピエロ・デ・ベルナルディ、エンリコ・メディオーリ、フランコ・アルカッリ、セルジオ・レオーネ、フランコ・フェリーニ
製作:アーノン・ミルチャン
音楽:エンニオ・モリコーネ
撮影:トニーノ・デリ・コリ
編集:ニーノ・バラーリ


<出演者>
ロバート・デ・ニーロ、ジェームズ・ウッズ、エリザベス・マクガヴァン、ジェニファー・コネリー、ジョー・ペシ、ダニー・アイエロ、and more…


<受賞歴>
第8回日本アカデミー賞:外国作品賞受賞


【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ】解説/あらすじ


『荒野の用心棒』、『夕陽のガンマン』、『ウエスタン』などで知られるマカロニ・ウェスタンの巨匠セルジオ・レオーネが、ハリー・グレイの原作に感銘を受けて脚本を執筆し、構想から10年以上をかけてアメリカ資本で製作した遺作。禁酒法時代にニューヨークで育った二人のユダヤ系ギャングの生涯をノスタルジックに描く。205分に及ぶオリジナル版の他、144分のアメリカ公開版や、229分の完全版、251分のディレクターズ・カット版など、多数のバージョンが存在する。主演は『キング・オブ・コメディ』のロバート・デニーロ。共演に『ヴィデオドローム』のジェームズ・ウッズ、『レイジング・ブル』のジョー・ペシ、『ゴッドファーザー PART Ⅱ』のダニー・アイエロ、『フェノミナ』のジェニファー・コネリーなど。


1930年代、禁酒法時代のニューヨーク。ユダヤ系移民のヌードルス(スコット・テイラー)は、仲間達と共に日々悪事を働いていた。そんなある日、ブロンクスからやってきたマックス(ラスティ・ジェイコブズ)という少年と運命的な出会いを果たす。次第に2人は禁酒法を利用した犯罪行為を行い、荒稼ぎの日々を送りながら大人へと成長して行く。ある日大人になったマックス(ジェームズ・ウッズ)が立てた無謀な計画に反発したヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)は、マックスを裏切って警察に情報を流し、このことがきっかけでマックスは命を落としてしまう。それから30年後、町を追われたヌードルスは、ある手紙を受け取りニューヨークに戻ってくるのだったが…。


【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ】映画感想/レビュー


現代ハリウッド映画界の父(だと個人的に思う)クリント・イーストウッドが敬愛してやまない、『夕陽のガンマン』『続:夕陽のガンマン』『ウェスタン』などで知られるマカロニ・ウェスタンの巨匠、セルジオ・レオーネの代表作にして遺作となった『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』。クエンティン・タランティーノも大絶賛の壮大なドラマ。


ほぼ完璧なキャスティング、いつの間にかノスタルジックな世界に誘われる、(完全版の場合)4時間近い時間を感じさせないセルジオ・レオーネによる圧倒的な演出、更に哀愁を帯びたエンニオ・モリコーネによるスコア。
直接的に西部劇的な設定じゃなくても、セルジオ・レオーネ監督独特の血なまぐさい描写や『間』は健在で、個人的に好きな映画BEST10には入るであろう傑作。


まずこの映画、デヴィッド・リンチ監督の『マルホランド・ドライブ』ほど複雑とはいかないまでも、回想したり戻ったりで時系列がバラバラですが、圧倒的なモンタージュ等の映画技法によりそれを感じさせない仕上がりとなっています。(公開当時はわかりやすくするために、制作会社が勝手に切ったり貼ったりして時系列を整理したうえに、エンニオ・モリコーネの音楽もカットするなどして、アメリカでは酷評を受けたらしいですが…)


映像によるモンタージュも勿論のことながら、ビートルズのYesterday等、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』では、音と映像を結びつけるためのモンタージュがいくつか存在します。
エンニオ・モリコーネによる音楽もそうなのですが、映像と音像(効果音も含む)が完璧にマッチしているんですね。


結局はヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)が阿片窟でラリって夢想しているという、映画的には反則的な夢オチともとれる締めなんですが、この映画に関して言えば、1921年から1933年というアメリカの闇の歴史とでも言うべき禁酒法時代を辿り、悪友とも親友とも呼べるマックス(ジェームズ・ウッズ)を始めとする仲間達を失ってまでも、1968年まで生きてしまっている(生かされている)ヌードルスの昔を懐かしんでほくそ笑むノスタルジックな映画ともとれるし、どんなに裏切られても、最終的には自分が勝ったという優越感に浸ったエンディングにもとれるし、孤独故に阿片窟に逃げ込み、孤独という現実から逃避したという作品にも思えるし、ビートルズのYesterdayという超有名曲を使うことで、ヌードルス達一味やそれを取り巻く女達などを、ビートルズに例えたという解釈ができなくもない作品になっていて、それは観る人によってどう感じるかは十人十色であり、観る度に表情を変える映画です。


彼等が生きた時代と、彼等がユダヤ人だったということを考えれば、禁酒法の裏で闇の仕事をして生きるしかなかった彼等に敬意を表したい気分にさせられます。
デ・ニーロが禁酒法時代の闇の帝王アル・カポネを演じた、ブライアン・デ・パルマ監督の名作『アンタッチャブル』とはまた違った位置にある作品です。


【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ】関連DVD,ブルーレイなど


エクステンデッド版と完全版を収録した2枚組み仕様(ブックレット付き)
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ エクステンデッド版(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ エクステンデッド版(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ エクステンデッド版(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
Excerpt: 1921年代初頭のニューヨーク。 禁酒法の嵐が全米を吹き荒れる中、ヌードルスとマックス、二人の少年は出会った。 やがて二人を慕う仲間たちが集い、彼らの暴走は狂気を帯びていく…。 ユダヤ系ギャングの半世..
Weblog: 象のロケット
Tracked: 2015-08-13 08:27