映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』ピッグス湾事件からキューバ危機の再現

映画情報


ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
(原題:Mission: Impossible – Ghost Protoco

Mission Impossible – Ghost Protoco poster.jpg
製作年:2011年(アメリカ) ジャンル:アクション/サスペンス
上映時間:132分
前作:ミッション:インポッシブル3/M:I:Ⅲ
次作:ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション


<スタッフ>
監督:ブラッド・バード
脚本:ジョシュ・アッペルバウム、アンドレ・ネメック
製作:トム・クルーズ、J・J・エイブラムス、ブライアン・バーク
音楽:マイケル・ジアッキノ
撮影:ロバート・エルスウィット
編集:ポール・ハーシュ


<出演者>
トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、ポーラ・パットン、ミカエル・ニクヴィスト、ウラジミール・マシコフ、ジョシュ・ホロウェイ、and more…


【ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル】解説/あらすじ


トム・クルーズ主演の大ヒットスパイ・アクション映画『ミッション:インポッシブル』シリーズ第四弾。前作『ミッション:インポッシブル3/M:I:Ⅲ』で監督を務めたJ・J・エイブラムスは製作に回り、新たに『レミーのおいしいレストラン』や『Mr.インクレディブル』でオスカー受賞経験のあるブラッド・バードが監督を務める。これまで通り、トム・クルーズは製作と主演を務め、共演は前作に引き続きサイモン・ペッグの他、『ザ・タウン』のジェレミー・レナー、『デジャヴ』のポーラ・パットン、『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』などのミカエル・ニクヴィストなどが出演。


ロシア、モスクワの刑務所に収監されていたイーサン・ハント(トム・クルーズ)を、CIAの特殊作戦部であるIMFのチームが脱獄させる。そのままチームリーダーとなったイーサンは、コバルトというコードネームの人物を操作する任務につき、ロシアのクレムリンに潜入するのだったが、同時に潜入していたテロ組織によってモスクが爆破されるという事件がおきる。このことによりゴースト・プロトコルが発動。米国政府は関与を否定し、イーサン率いるIMFチームは解体されてテロの容疑をかけられてしまう。政府の後ろ盾を失ったイーサン達であったが、爆破テロの犯人を突き止め、コバルトの目論見を阻止するために、ドバイへと飛ぶのだったが…。


【ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル】映画感想/レビュー


『ミッション:インポッシブル』シリーズではお馴染みですが、イーサンが任務を受けるときに必ず


IMFチーム、及びチームのメンバーに何かあったさい、政府はこのことに一切感知しない。

といったようなメッセージが流れ、5秒後に任務を伝えるテープだったり電話が、証拠隠滅のために消失します。


本作の映画のタイトルに‘ゴースト・プロトコル’とついていますが、この意味は、つまり政府はチームの成功以外のこと。失敗には一切関与しない。失敗した場合、そもそもIMFのチームは存在しないことにするという取り決めですね。


ということで、前作の『ミッション:インポッシブル3/M:I:Ⅲ』なんかも、実質ゴースト・プロトコル状態で、何を今更言うてんねん。という感じ。イーサン・ハント(トム・クルーズ)が窮地に陥って、不可能に近い任務(ミッション:インポッシブル)をギリギリのところで遂行することには変わりないやろ。っていう。
そういう意味ではいつもと同じ展開。特に真新しさは感じませんが、そもそもこのシリーズの魅力の一つはそこにあるのでした。そして本作は、前作に輪をかけた面白さなのです。


映画が始まるなり、なんかソーヤさんが走ってますね。
ソーヤというのは、前作で監督、本作で制作を務めているJ・J・エイブラムスが手がけた、アメリカの人気海外ドラマシリーズ『LOST』の登場人物ですね。
そのソーヤ役を務めたジョシュ・ホロウェイが、IMFのエージェント、トレヴァー・ハナウェイ役で出て来て、『LOST』ファン的には嬉しい演出なのですが、ジョシュ・ホロウェイさん、いきなり映画から退場しますね。
コバルトというコードネームの人物に渡るはずだった極秘ファイルを奪うべく奔走していた矢先、サビーヌ・モロー(レア・セドゥ)という、いかにも殺し屋っぽい金髪の女殺し屋に撃たれちゃいます。
「ん?何がおこっているんだい?」となったところで、舞台はモスクワの刑務所へ。


何故か刑務所に居るイーサン・ハント。どうやら何かをやらかしてか、何かを追うためにわざわざ何かをやらかしたのか、兎も角投獄されている模様。
そこに、IMFのチームが現れます。
前作から活躍していたベンジャミン・ダンことベンジー(サイモン・ペッグ)が、オフィスでパソコンと睨めっこする仕事から、現場でお仕事するようになりました。
そして、今までのシリーズで皆勤だったルーサー(ヴィング・レイムス)が本作では退場し(終盤にちょろっと出てきますが)、前作で大活躍していたゼーン(マギー・Q)とデクラン(ジョナサン・リース=マイヤーズ)も説明なく消えていて、新たにウィリアム・ブラント(ジェレミー・レナー)と、ジェーン・カーター(ポーラ・パットン)が参加。


個人的には、前作のマギー・Qが好きだったので、ポーラ・パットンに変わってるのは少々残念なのですが、兎も角ベンジー、カーターの2人で(ブラントは後から出てきます)、イーサンを脱獄させる。ついでに刑務所で知り合った情報やのボグダン(ミラジ・グルビッチ)も脱出。車内でイーサンの本名と英語喋ってたのを聞いたロシア人のボグダン、‘あんたロシア人じゃなかったのか?’、‘あんた本名違ってたのか?’。いちいち笑わかしてくれます。


新しい任務を受けて、場所はロシアの中枢クレムリン。
情報を得るべくクレムリンに潜入しているわけですが、ここでスパイ・アクションらしい変装やステルス活動が繰り広げられます。
特にステルス活動時は、音楽も台詞もない殆ど静寂の演出が数分続いていたり、科学技術を駆使した小道具が効果的に使われていたりして凄く面白い。
派手な音響効果ばかりがアクション映画ではないんですよね。このことによって生み出される緊張感が最高ですね。
とか思っていたら、別の組織によってクレムリン大爆発。IMFのメンバーは生き残りますが、兎に角ロシアからテロの容疑をかけられてしまう。
IMF長官(トム・ウィルキンソン)と分析官のブラント(ジェレミー・レナー)に迎えられたイーサンはゴースト・プロトコル発動を聞かされ、更にはイーサン達はロシアからの襲撃を受け、長官は命を落とし、イーサンとブラントはなんとか逃げ延びて、IMFチームと合流。


黒幕がコバルトで、コバルトことカート・ヘンドリクス(ミカエル・ニクヴィスト)が、核兵器を使って世界を浄化しようとしていて、核兵器発射制御装置を手に入れるべくクレムリンに潜入し、証拠隠滅のためにクレムリンごと吹っ飛ばしたんだと知ったイーサン達はド、ヘンドリクスを止めるべくブラントをチームに引き入れて奔走。


ドバイに飛んで、世界一高い高層ビル、ブルジュ・ハリファで命がけの戦いです。
ゴースト・プロトコル イーサン.jpg
高所恐怖症じゃなくても恐ろしいであろうブルジュ・ハリファの100何階だかの外窓にて、命綱なしの不可能ミッション。その高さ凡そ800メートル。
そしてイーサンさん。何故か高所恐怖症です。高所がトラウマになったのは、前作で200何メートルだかから決死のダイブをした影響だと思いますが、その恐怖心、生きるか死ぬかのシンプルな構図が、ヒッチコックのめまい的なカメラワークや、ベンジーの台詞で上手く表されています。
予告編でもこのシーンが流れていたと思いますが、この映画の一番の見所は多分ここ。これがやりたいがために、この映画は撮られたのではないか。


ドバイの後、インドのムンバイに飛んだりします。エージェント4人が全員それなりに見せ場のある活躍っぷりです。オマケみたいにルーサー(ヴィング・レイムス)や、ジュリア(ミシェル・モナハン)が出てきたりしますね。そして本作では、イーサンとジュリアは別れたという設定になっていますが、このことはイーサンとジュリアとブラントを繋いで、イーサンが刑務所に入った理由にも繋がる重要な伏線にもなっています。
この辺りも上手に描けていますね。


【キューバ危機以来の緊張感】


CIAなどの秘密工作員のスパイ映画を描くにあたって、ロシア(旧ソ連)は非常に重要な存在になってきます。
というのも、第二次世界大戦以降の1945年から1989年で続いたアメリカ(資本主義・自由主義)とロシア(共産主義・社会主義)の冷戦。異様な緊張感に包まれていたこの時期にCIAは共産主義各国で様々な諜報活動を行っていたのですが、中でも1962年10月14日から28日までの14日間は、所謂キューバ危機と呼ばれる核戦争勃発寸前の緊張状態にありました。このキューバ危機に陥った原因こそが、CIAが1961年に関与したピッグス湾事件で、キューバから亡命した在米キューバ人部隊‘反革命傭兵軍’が、アメリカの支援のもとで、フィデル・カストロの革命政権打倒を狙ったものの、CIAがキューバ側を過小評価していたり、情報事態が漏れていたせいで、結果的にキューバ政府が勝利して、社会主義革命を宣言。この結果から、核兵器を突きつけあうキューバ危機に陥りました。


『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』は、敵はロシアで“キューバ危機以来の緊張状態”ということが劇中でも言及されていて、核兵器が登場する通り、かつてのそういう危機的状況をわかりやすく解説したような映画です。そのため、もう少し国同士の緊張感を描いてもよかったのではなかろうかとも思います。


【ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル】関連DVD,ブルーレイなど


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