映画『恋はデジャ・ブ』ニーチェの永劫回帰を物凄くわかりやすくしたコメディ

映画情報


恋はデジャ・ブ
(原題:Groundhog Day

恋はデジャ・ブ ポスター.jpg
製作:1993年(アメリカ) ジャンル:コメディ 上映時間:101分
監督:ハロルド・ライミス
脚本:ハロルド・ライミス、ダニー・ルビン
音楽:ジョージ・フェントン
出演者:ビル・マーレイ、アンディ・マクダウェル、クリス・エリオット、スティーヴン・トボロウスキー、ブライアン・ドイル=マーレイ、and more…


【恋はデジャ・ブ】解説/あらすじ


『ゴーストバスターズ』の脚本を手がけ、出演もしているハロルド・ライミスが監督を務めた、タイムトラベル型ラブコメディ。『タイムマシン』や『ミッション:8ミニッツ』に見られる、いわゆる‘ループもの’の代表的な作品で、同じ時間をループしながら自分自身を改めていく男の成長と恋愛を描く。主演は『ゴーストバスターズ』のビル・マーレイ、共演にアンディ・マクダウェル、クリス・エリオットなど。


軽快なトークでテレビのキャスターとして人気の気象予報士フィル・コナーズ(ビル・マーレイ)は、仕事仲間のリタ・ハンソン(アンディ・マクダウェル)、ラリー(クリス・エリオット)と共に、2月2日の聖燭節に行われるグラウンドホッグデーを取材するために、ペンシルベニア州の田舎町パンクスタウニーに訪れていた。4年連続のこの祭りの取材に、高慢な性格のフィルは不満を募らせながら1日を終えるのだったが、翌朝目を覚ましてみると、何故か昨日と同じことを繰り返している人ばかり。なんと同じ2月2日のグラウンドホッグデーを繰り返していたのだった。


【恋はデジャ・ブ】映画感想/レビュー


一世を風靡したSFコメディー映画『ゴーストバスターズ』の脚本を、ダン・エイクロイドと共に手がけたハロルド・ライミスが監督をつとめ、同じく『ゴーストバスターズ』でハロルド・ライミスと共に出演していたビル・マーレイ主演で贈る、タイムトラベル型ロマンティックコメディ『恋はデジャ・ブ』。
恋はデジャ・ブ ビル・マーレイ アンディ・マクダウェル.jpg
コメディ俳優ビル・マーレイの惚けた感じの如何にもコメディ的な演技が凄く自然で、ただなんとなく観ているだけでも楽しく笑えて、ロマンティックな気分にもなれる素敵な傑作ですね。


2月2日にペンシルヴェニアの小さな町パンクスタウニーで行われる、原題でもあるグラウンドホッグデーというお祭り。
ウッドチャック(リス科の生き物)が「冬はいつまで続くのか?」「春はいつ訪れるのか?」を予想するという、毎年恒例の子供じみたイベントの取材のために、スター気取りのフィル・コナーズ(ビル・マーレイ)は、プロデューサーのリタ(アンディ・マクダウェル)、カメラマンのラリー(クリス・エリオット)と共に現地を訪れたのだけれど、早く切り上げて帰りたかった我儘なフィルは、帰りの道は吹雪に見舞われ、結局はパンクスタウニーで一泊することになります。
翌朝迎えたAM:6:00、ラジオからは昨日の2月2日に聞いたはずの番組が全く同じ内容で流れ、部屋から出てみると、同じ人に遭遇して同じ質問を投げかけられ、外に出てみると、昨日と同じように保険セールスマンのネッド(スティーヴン・トロボウスキーがイライラするくらい好演)に勧誘され、昨日と同じようにウッドチャックが天気を占うというイベントを行っていた…。
翌朝のAM:6:00になっても、やはり日付は2月2日のままで、昨日と同じはずの時間が流れる。まさかのデジャ・ブ!(正確には、同じような体験をしたような気がするてはなく、実際その時間を昨日も過ごしているはずだから、デジャブではなくタイムトラベル)


最初は驚いたのか愕然としたのか、兎に角絶望感に暮れるフィルであったけれど、フィルは、この来る日も来る日も同じ日が訪れるということを逆手にとり、女性に気にいられるように女性の好みのまんまの男になってみたり、お金を盗んだり、無茶苦茶して警察のお世話になってみたり。好き放題して生きるようになるます。
しかし、次第に来る日も来る日も同じ日だということに虚無感を覚え、自ら命を絶つような行動に出るようになるが、何回死んでも結局はまた同じ朝が訪れる。


【ニーチェの永劫回帰】


LUNA SEAの曲に‘Dejavu’という曲がありますが、あの曲の歌詞をコメディにしたような映画ですね。と言えば、単なる笑えるコメディなんかな?邦題が『恋はデジャ・ブ』ということもあって、ベタベタなラブコメなんかな?って思うかもしれませんが、映画評論家の町山智浩さんも言っていますが、まさにニーチェの永劫回帰という思想を映像化したような映画。
永劫回帰と言えば、キューブリックの『2001年宇宙の旅』でボーマン船長が最終的にスターチャイルドという超人に進化するという永劫回帰が描かれていますが、この映画はそれを更にだいぶわかりやすくし感じですね。


来る日も来る日も同じような毎日で退屈な日々、それでも人は生きているし、生きていかねばならないし、そんな同じような日々の中で、何ものにも屈しない自らの意思での生き方を見つけたとき、他の誰でもない、ニーチェ的に言えば超人になれるだろうということを言いたい映画。


『恋はデジャ・ブ』の中では、フィルが毎日毎日同じ日、本当に2月2日という日を永遠と繰り返すという極論で描かれていますが、現代人の大多数の人は、毎日全く同じ日常とはいかないまでも、日々を退屈に感じ、不満を覚え、愚痴をこぼしています。


グチグチ言って、自分からは何の行動も起こさないままに人のせいにしたり人に任せたり、自分のそんな退屈な人生を変える気すらない人も多数います。
それは人のせいにすべきことじゃないけれど、そうしてしまうのが人間だからこそ、ニーチェは一般大衆を畜群と罵り、そこから一歩抜け出した人を超人と称えたのです。


そういうニーチェの哲学的思想も踏まえて、勿論コメディーとして笑える素敵な映画なんだけれど、堅苦しくではなく物凄くフランクに、人生をただ生きるのじゃなくて、よりよく生きるための在り方を、改めて教えてくれるような素晴らしい映画です。
私達も一つ、考えを自分だけではなく、他人のために向けれるようになったら、また違った人生を歩めるようになるかもしれませんね。

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