映画『インクレディブル・ハルク』装い新たに超人ハルクをリブート

映画情報


インクレディブル・ハルク
(原題:The Incredible Hulk

インクレディブル・ハルク ポスター.jpg
製作:2008年(アメリカ) ジャンル:SF/アクション 上映時間:112分
監督:ルイ・レテリエ 原作:ジャック・カービー、スタン・リー 脚本:ザック・ペン、エドワード・ノートン(ノンクレジット) 音楽:クレイグ・アームストロング
出演者:エドワード・ノートン、リヴ・タイラー、ティム・ロス、ティム・ブレイク・ネルソン、タイ・バーレル、ウィリアム・ハート、ヒクソン・グレイシー、and more…


【インクレディブル・ハルク】解説/あらすじ


アン・リー監督、エリック・バナ主演による2003年版『ハルク』とは別物のリブート版として製作されたマーベル・コミック原作のSFヒーローアクション。‘マーベル・シネマティック・ユニバース’の作品としては第二段にあたる。『ファイト・クラブ』『幻影師アイゼンハイム』のエドワード・ノートンが主演のみならず、ノンクレジットではあるが脚本にも携わっている。監督は『トランスポーター』のルイ・レテリエ。共演にはリヴ・タイラー、ティム・ロス、ウィリアム・ハートの他、ブラジルのグレイシー柔術の使い手、ヒクソン・グレイシーなどが出演。


放射線が人体に与える影響を研究していた科学者のブルース・バナー(エドワード・ノートン)は、自らの身体を使って実験を繰り返していたが、ある日実験が失敗し致死量を超える量のガンマ線を浴びたことにより、心拍数が200を超えると、緑色の巨体を持ったモンスター‘ハルク’に変異してしまう身体になってしまう。このことにより、軍から追われることになったブルースは、ブラジルのリオデジャネイロのスラム、ホッシーニャに潜伏し治療薬の開発に取り組みながら、心拍数のコントロールの仕方を学ぶべく、柔術家(ヒクソン・グレイシー)の元での修行に励むのだったが、勤め先のジュース工場で手を切った時に血液が混入され、それを飲んだ人がガンマ線に汚染されてしまったことから、ロス将軍(ウィリアム・ハート)に居場所が割れてしまい、ブロンスキー(ティム・ロス)率いる特殊部隊に包囲され、ブルースはハルクへと姿を変えるのだったが…。


【インクレディブル・ハルク】映画感想/レビュー


2003年版のアン・リー監督による『ハルク』の評価が著しく低く大失敗してしまったことにより、続編ではなくリブートとして製作されたエドワード・ノートン主演の『インクレディブル・ハルク』。エドワード・ノートンは諸事情によりノンクレジットですが、脚本にも深く携わっています。
インクレディブルとは、信じられないなどといった意味ですが、『インクレディブル・ハルク』がアン・リーの『ハルク』と同じ主人公を扱った映画だとは思えないという意味で信じられない!
個人的にはアン・リー版『ハルク』は、アン・リーが監督したとはにわかに信じられない駄作だと思っています。チープ、盛り上がらない、何を伝えたいのかもわからない、ただただ可哀想なだけ等々色々理由があります。
対して『インクレディブル・ハルク』は、突っ込みどころはあるにせよ単純に面白い。
まずテンポが圧倒的にいい。勿論一番の見所は、ブルースがハルクに変身してからの戦いになるのでしょうが、生身の身体でいる時にもエンターテイメントを忘れていない。いきなりグレイシー柔術のヒクソン・グレイシーが登場するシーンにしてもそうだし、心拍数を測る装置を腕につけて、変身するのかしないのかの瀬戸際をサスペンスフルに描くことによってドキドキさせられる。


ヒロインのベティ・ロス役が今回はエアロ・スミスのボーカル、スティーヴン・タイラーの娘リヴ・タイラーだけれど、今作では軍人としてハルクを軍事利用しようとする父親のロス将軍には一切肩入れせず、徹底してブルースの味方という立場をとっているので、前作のようなヒロインの中途半端さはない。尚、前作のジェニファー・コネリーの演技自体が悪いというわけではありません。何より2人とも美人さんである。(重要)
インクレディブル・ハルク リヴ・タイラー.jpg
エドワード・ノートンとリヴ・タイラーによるラブシーンがありますが、心拍数があがってしまうとハルクになってしまう故に、やることやれないっていうところをしっかりアピールしてたのは中々よかった。


ウィリアム・ハート演じるロス将軍の徹底したアメリカ軍事主義っぷり、ティム・ロス演じるブロンスキーの歪んだ強さへの執念、ティム・ブレイク・ネルソン演じる科学者サミュエル・スターンズのマッドサイエンティスト具合等々は、私利私欲に駆られる人間の愚かさを描きながら、シリアスにアメリカという国を皮肉っているように思えました。


そのようなドラマ性を踏まえつつ、CG等を駆使しながらも決してチープにならないアクションシーン。『ハルク』と比べると、制作費も違えば(といっても1億五千万と1億3千7百万ドルで1300万ドルの違いしかない)5年という時間経過による技術力の違いもあるのかもしれませんが、圧倒的な迫力の違い。なんといってもおかしな分割画面編集が施されていないのがいい。


シリアスになりきらず、アメコミらしくお笑いコメディ要素を入れてくるのもいい。タクシー運転手の暴走運転にノートンの心拍数が上がることをドキドキしながら心配して見ていたら、ノートンじゃなくてリヴ・タイラーが変貌。キレキレでタクシー運転手をまくし立てる。それを宥めるノートン。何これ?


以下ネタバレになります


最終的には、ハルクの強さに並々ならぬ執着心を持つブロンスキーがアボミネーションというヴィラン(悪役)に変身して、ハルクと戦うことになりますが、ここでは『キングコング』等から影響が垣間見えます。
でも私が一番思ったのは『ドラゴンボールZ』。
『ドラゴンボールZ』の原作では悟空とべジータが同時に大猿に変身して戦うシーンなんてのはなかったような気がしますが、これはまさしく、サイヤ人でありながらも地球で育てられたことによって戦いを嫌う平和な心を持ちなが、大猿へ変身することによって理性を失う悟空と、根っからの戦闘民族サイヤ人の、それもエリート王子で、自らの意思で大猿に変身できて、凶暴性が増して戦闘力は10倍になりながら、理性は保つことのできる大猿べジータの戦い。
結局アボミネーションから生身のブロンスキーの身体には戻りませんでしたが、アボミネーションが最後に道路で倒れている姿は、べジータが元気玉くらわされて、ヤジロベーに切りつけられた挙句、大猿悟空に踏み潰され、瀕死の重傷を負った姿と思いっきり被りました。
鳥山明とマーベルはお互いに影響受けあってんじゃねーか?くらいに思いましたね。/p>

尚、本作は『アイアンマン』の後に製作されていますが、『アイアンマン』『キャプテン・アメリカ』『マイティ・ソー』を含む『アベンジャーズ』達とのクロス・オーバーが垣間見れます。
アベンジャーズを統括するS.H.I.E.L.D.の名前がちらっと出てきたり、『アイアンマン』のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)がラストでちらっと出てきたり、そもそもスターク・インダストリーズ社製の超音波兵器が劇中で使用されていたり等々のオマケ及び伏線が張られています。


何せ、アン・リー監督の『ハルク』とは、テーマこそ一緒なのかもしれませんが、全然違う映画です。突っ込みどころに目を瞑れば十分に面白い!個人的には続編も観たくいのですが、『アベンジャーズ』でブルース/ハルク役をエドワード・ノートンが降板してマーク・ラファロに代わってることや、興行収入的にプラスにはなっているけれど大成功とまではいってないところ等々を踏まえると、企画自体は上がっているみたいですし、マーク・ラファロも意欲的みたいですけど、いざ製作となると中々難しいのかもしれませんね。

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インクレディブル ハルク
Excerpt: 実験中に大量の放射能を浴び、驚異体質となった科学者ブルース・バナーは、感情が高ぶり心拍数が200を超えると、巨大な緑色のモンスター=【ハルク】に変身してしまう。 彼を軍事実験に利用しようとするロス将軍..
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Tracked: 2015-07-05 08:55