映画『画家と庭師とカンパーニュ』心優しいフランス映画

映画情報


画家と庭師とカンパーニュ
(原題:Dialogue avec mon jardinier

画家と庭師とカンパーニュ 画像.jpg
製作:2007年(フランス) ジャンル:ドラマ 上映時間:105分
監督:ジャン・ベッケル 原作:アンリ・クエコ 脚本:ジャン・ベッケル、ジャン・コスモ、ジャック・モネ
出演者:ダニエル・オートゥイユ、ジャン=ピエール・ダルッサン、and more…


【画家と庭師とカンパーニュ】解説/あらすじ


『クリクリのいた夏』『ピエロの赤い鼻』などのフランス映画界の巨匠ジャン・ベッケル監督によるフランスの田舎を舞台にした心洗われるヒューマン・ドラマ。『八日目』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞している名優ダニエル・オートゥイユ、『ロング・エンゲージメント』のジャン=ピエール・ダルッサンなど。


都会の暮らしに疲れた画家(ダニエル・オートゥイユ)は、生まれ故郷であるフランスのカンパーニュ(田舎という意味)に戻ってきた。両親が亡くなって以来放置して荒れていた庭を手入れするために庭師を募ると、偶然にも小学校の時の友達が庭師(ジャン=ピエール・ダルッサン)としてやってきた。成功を収めていたはずの画家は、自分の浮気が原因で妻とは離婚調停の真っ只中。娘にも愛想をつかされる始末。一方で庭師は、勤めていた国鉄を定年退職した後、念願の庭師を始め、家族とも幸せな毎日を送っていた。そんな2人は空白の時間を埋める間もなく意気投合し、お互いを‘キャンバス(画家)’‘ジャルダン(庭)’と呼び合い、尽きることなく会話を深め、お互いにとってかけがえのない存在となっていくのだったが…。


【画家と庭師とカンパーニュ】映画感想/レビュー


穏やかな陽の差したカンパーニュ(地元の田舎)の風景に、なんとも心洗われる穏やかで優しいフランス映画です。
パリで画家として暮らしていたけど、画家として成功はしていたものの、行き詰まり、女癖が悪く、妻とは離婚調停中という人生そのものに行き詰って田舎に帰って暮らすと決めた中年画家のキャンバス(ダニエル・オートゥイユ)とは対照的に、鉄道会社を退職し、退職後は念願の庭師となり、妻を愛し、息子を愛し、慎ましくも幸せな生活を送っていたジャルダン(ジャン=ピエール・ダルッサン)という対照的な‘現在’を生きる学生時代の同級生の2人が、ひょんなことから再会し、すぐに意気投合して、なんてことない話を終始ウダウダと話すわけですが、このなんてことない会話も押し付けがましくなくて、カンパーニュと同様に穏やかで、心癒されます。


人間というものは十人十色、千差万別と言うように、この対照的な2人も、いくら仲がイイとはいえ、価値観の違いというものは生じてくるわけですが、大き問題ほど決して深入りはしません。
価値観の違いがあればこそ、もしかしたらお節介なのかもしれないアドバイスを、そっと優しく送るのです。
特にジャルダンは、全くと言ってもイイくらいに嫌味がなくて、彼の話を聞いてるだけで不思議と笑顔になれます。
私達観客と同様に、キャンバスもどんどんジャルダンに感化されて行くわけなのですが…。
画家と庭師とカンパーニュ キャンバスとジャルダン.jpg


【モーツァルトのクラリネット協奏曲(ネタバレ含みます)】


ある日ジャルダンが倒れ、パリの病院に連れていくも既に手遅れの状態で、キャンバスはカンパーニュで穏やかな最期を迎えさせるべく連れて帰ります。
最後に2人で約束していた釣りに出かけ、モーツァルトのクラリネット協奏曲が流れだしてからが圧巻。
フランスの田舎風景と、モーツァルトの優しく穏やかな楽曲、画家と庭師のやり取りが絶妙にリンクして涙を誘います。
菜園に水をやり、芸術とは無縁と思えるジャルダンの好きなものの絵を描き、ナイフと紐を携えるキャンバス。そして心に囁きかけるジャルダン。
キャンバスはジャルダンに、人間にとって最も大切なもの、『心』を貰ったのです。
人生の素晴らしさや、友達や家族の大切さを感じさせてくれます。死期を前にしたジャルダンが言います。


“庭師が一緒に寝れば野菜も喜んでくれるだろ。”

原題は「庭師との対話」という意味で、その通り会話で成り立っている映画で台詞も多いので、吹き替えで観てもいいと思います。地味なフランス映画だけど、癒されたい人、仕事に疲れている人にオススメです。



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