リリイ・シュシュのすべて(岩井俊二、市原隼人)

映画情報


リリイ・シュシュのすべて
製作:2001年(日本)
監督:岩井俊二 出演者:市原隼人、忍成修吾、伊藤歩、蒼井優、細山田隆人、and more…


【リリイ・シュシュのすべて】解説/あらすじ


岩井俊二監督自身によるインターネット小説を、2001年に映画化した作品。14歳の思春期である少年少女の痛切なリアルを描く青春映画。
田園風景の広がるある地方都市で暮らす、中学生に上がった蓮見雄一(市原隼人)は、同じクラスの星野修介(忍成修吾)と親友になり、夏休みを利用して西表島に旅行に行って、命の危機に瀕し、バックパッカーの死を目撃する。旅行から帰ると、星野は学校で暴れだすようになり、蓮見はその星野や仲間達からイジメを受けるようになる。居場所のなくなった蓮見の唯一の心の拠り所はカリスマ的な人気を誇る女性アーティスト、リリイ・シュシュの歌だけであり、彼は‘リリフィリア’というファンサイトを立ち上げ、そこで心情を吐露していくなかで、『青猫』という人物に出会うのだったが…。


【リリイ・シュシュのすべて】映画感想/レビュー


青春時代を美化しているわけではない、寧ろその逆ともとれる『リリイ・シュシュのすべて』には、言い知れない懐かしさ、登場人物達と被る思いってのがやはりあって、わけもわからず涙が零れる。
クラシック作曲家の『ドビュッシー』のピアノの旋律をはじめ、小林武史 Featuring=CLAUDE DEBUSSYの音楽や、アカペラの翼を下さいの合唱などが心に響く。
日本で初めて使用されたらしい、デジタルビデオカメラの24プログレッシブカメラで撮影された『リリイ・シュシュのすべて』の一つのキーワードである緑の田園風景(ロケ地は栃木県足利市と群馬県太田市)が、サイバーネット的なインターネット小説を元としているこの映画のもう一つのキーワードである『電波』との対比や、出演者がホームビデオを操るPOVの荒い視点、過激な演出や、市原隼人、蒼井優などの若手俳優による体当たりの演技のコントラストが、破壊的でありながらも非常に美しく、より懐かしさを覚えてノスタルジックな気分にさせられます。ノスタルジーの中には、芥川龍之介の残した言葉じゃないけど、14歳、15歳当時の私自身の「漠然とした不安」も含まれます。
この映画全体から漂う混沌とも殺伐ともつかない雰囲気は、カルト的な人気を誇るという事実にも十分な説得力があります。

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